検査

アトピー性皮膚炎の状態や原因を把握する手がかりとして、アレルギー検査を行い抗原の有無を確認いたします。この検査では体内でのIgE抗体を調べることで、ダニやカビ、ペットなど、どのような悪化要因をもっているかを検討します。症状によっては、食物アレルギーなどの検査を行う場合もあります。また、アトピー性皮膚炎に似た皮膚疾患の場合もあるため、必要に応じて検査を追加します。

TARC

TARC(thymus and activation-regulated chemokine)とは白血球走化因子の一種で、アトピー性皮膚炎では皮膚表面の様々な刺激によって角化細胞から産生され、Th2リンパ球を皮膚病変部に呼び寄せることで炎症を悪化させます。皮膚の炎症の重症度に相関して血清中のTARC値も変動するために、血液検査により重症度を客観的に数値化して評価することができます。

IgE

アトピー性皮膚炎では様々な物質に対してIgE抗体と呼ばれる即時型アレルギー(I型アレルギー)に関係する抗体を産生しやすく、血液検査でも様々な項目でIgE値(抗原特異的IgE値)が高くなる傾向があります。血清IgE値は長期的にはアトピー性皮膚炎の病勢と相関することが知られていますが、かなりばらつきがあり、短期的な重症度のマーカーとしては有用ではありません。

  • 血清TARC値や血清IgE値測定によるアレルギー検査はいずれも保険適用となっています。アレルギー検査については、36項目が一度に測定できるMAST36をお勧めしています。

診断

アトピー性皮膚炎は、「皮膚症状が良くなったり、悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹を主症状とする疾患で、アトピー性皮膚炎の患者さんの多くはアトピー素因を持っている」と定義とされています。乳児の場合は2か月以上、乳児以外の場合では6か月以上、皮膚症状を繰り返す場合、アトピー性皮膚炎を疑います。そのため、一時的に湿疹ができただけでは、アトピー性皮膚炎の確定診断とはなりません。また、年齢によって湿疹が生じやすい部位に異なる傾向があるため、皮膚症状と症状が出ている部位、検査結果、アトピー素因の有無などを総合的に確認した上で診断いたします。

このような場合はアトピー性皮膚炎かも

新生児の赤ちゃんで相談されることで上位に位置するものが「皮膚トラブル」です。赤ちゃんの肌になるともちもした肌をイメージされることが多いですが、実際は新陳代謝が激しいため、皮膚にブツブツが出ることはとてもよくあることです。そのため、赤ちゃんの湿疹を見て「アトピー性皮膚炎かも」と心配されることも多々ありますが、生後1か月の時点でアトピー性皮膚炎を発症することはごく稀です。 多くの場合は、生後3か月を過ぎ、皮膚の感想が気になりだすころからが注意が必要です。乳児湿疹と思っていてもなかなか良くならない場合にはアトピー性皮膚炎の可能性もあるため、気になる皮膚症状が続く場合はご相談ください。

小さなお子さんの場合、乳児湿疹と思っていてもなかなか良くならない場合にはアトピー性皮膚炎の場合もあります。

診療時間
休診日:土曜午後・日曜午後・祝日
●予防接種は予約制です。
日祝
9:00~12:00
予防接種
16:30~19:30
院長
周藤 文明
診療内容
一般診療予防接種乳児健診アレルギー疾患アトピー舌下免疫療法子供の循環器疾患
電話
075-592-5109
所在地
〒607-8481京都市山科区北花山中道町78-4
アクセス
JR東海道本線「山科」駅 車で約3分
バス停「川田道」より 徒歩12分