うんちの回数
「うちの子は便秘なの?」「うちの子のうんちの回数は少ないの?」「うちの子のうんちは大丈夫?」と心配されるお母さん・お父さんは少なくありません。
一般的にこどもの便秘とは、排便が週に3回より少ない状態や便が5日以上でない日がつづく状態をいいます。
便秘のために、治療が必要な状態を「便秘症」といいます。
便秘症が1~2か月以上続いた場合は、「慢性便秘症」といいます。
- (正常な排便回数の目安)
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0~3か月 母乳栄養児 2.9回/日 人工乳栄養児 2.0回/日 6~12か月 1.8回/日 1~3歳 1.4回/日 3歳以上 1.0回/日 (出典:日本小児栄養消化器肝臓学会「小児慢性機能性便秘症診断ガイドライン」)
注意しなければいけないことは、上の表のような排便回数の目安はありますが、こどもの排便の回数はとても個人差が大きいということです。
また通常、人工乳で育てられている乳児は、母乳で育てられている乳児より、排便回数が少ないという傾向もあります。
そのため、「この回数より少ないから便秘だ」と一概にいうことはできません。
通常時と比べて排便の回数はどうか、排便の回数が少ない日が長く続いていないかと様子をみることが大切です。
うんちの形状・特徴
便秘のときの便の特徴として、
- ちいさいコロコロ便
- トイレがつまるくらいの大きな便
- 排便時に痛みがあるほどの硬い便
- 1日にやわらかい便が少しずつ何度もでる
- 血がついた便
等があります。
排便の回数だけでなく、うんちの形状やうんちをするときの様子も気にかけてみてください。
便の状態をあらわす基準として、以下の「ブリストル便形状スケール」というものがあります。

お子さんの便はどの便に近いでしょうか。
便秘になっている場合、1または2のような硬い便がみられることが多いです。
硬い便は、便を出すときに肛門を傷つけてしまいます。
うんちがちゃんと出ていても、またはうんちの時に血が出ていなくても、実はお子さんはうんちをすることを痛がっていたり、うんちをすることを我慢していたりするかもしれません。
そこから、慢性的な便秘へと悪化していく可能性があります。
また、便は硬くなければいいという訳でもありません。
6または7のような柔らかすぎる便(下痢の状態)でも、肛門を傷つけてしまうことがあります。
柔らかすぎる便は、勢いよく肛門を通ることで肛門を傷つけてしまうためです。
そこから菌が入ることで、感染を起こすこともあります。
便秘でも下痢でもない、3~5の状態の便に整えることが大切です。
こどもの便秘について
実は、今ではこどもの便秘はめずらしいことではありません。
およそ10人に1人のこどもが便秘の状態に陥っていると言われています。
お子さんが便秘なのかどうか、または便秘の治療をしたほうがいいのかどうか、お父さん・お母さんで判断が難しい場合はお気兼ねなく医師にご相談ください。