便秘は薬を飲むだけでは改善効果を得られにくい病気です。普段の生活習慣を見直すことで、解消につながるケースが多いです。ここでは便秘の患者さんに日常生活で気をつけてほしいことについてご紹介します。
規則正しい生活を行う
お子さんの便秘改善には、規則正しい生活が大切です。毎日同じくらいの時間に寝起きし、食事や排便の時間を決めることで、体内リズムを整え、自然な排便を促します。睡眠不足や不規則な生活は、腸の動きを悪くする原因となるため、注意が必要です。
バランスの良い食事をとる
便秘解消には、食物繊維が豊富な野菜や果物、そして腸内環境を整える乳酸菌を含むヨーグルトや納豆、みそなどの発酵食品、オイル類を積極的に摂り入れることが重要です。また、水分補給も大切です。水分が不足すると便が硬くなりやすいため、こまめな水分補給を心がけましょう。一方、加工食品や甘いお菓子の摂りすぎは控えましょう。
食物繊維を含む食品
食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があり、それぞれ便秘に対して異なる働きをしてくれます。
水溶性食物繊維は、便を柔らかくして腸内をスムーズに移動できるようにしてくれます。昆布・ひじき・わかめ・こんにゃくなどに多く含まれます。
不溶性食物繊維には、腸の運動を活発にする、便の量を増やす役割があります。バナナ・ブルーベリー・かぼちゃ・根菜・きのこ・豆類・芋類などに多く含まれます。
発酵食品
ヨーグルトや納豆、味噌、チーズ、キムチなどの発酵食品は、腸内環境を整えてくれる善玉菌を含んでいるため、便秘の解消につながります。
オイル類
オリーブオイル、ごま油、エゴマ油、ココナッツオイルなどのオイル類は、オイルに含まれる成分が腸を刺激して動きを活発にし、排便を促すと考えられています。また便のすべりを良くして、腸内を便が移動しやすくする働きがあるとされています。
トイレを我慢せず、すぐに済ませる
トイレに行きたくなった時は、我慢せずにすぐに済ませることが大切です。我慢することで便意が弱まり、便秘が悪化することがあります。特に、排便の際に肛門を痛がる、足をクロスさせて便を我慢するといった兆候が見られる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
適度に運動をする
運動不足も便秘の原因の一つです。毎日、適度な運動をすることで腸の動きが活発になり、排便を促します。晴れの日は公園に行く、出かけるときは自家用車ではなく徒歩もしくは自転車を使うなど移動手段の変更も検討してみましょう。
おなかのマッサージ
お腹のマッサージは、腸の動きを促す効果があります。時計回りに優しくお腹をマッサージすることで、腸の蠕動運動を促し、便秘の改善に役立ちます。ただし、お子さんの状態に合わせて優しく行いましょう。
全身ストレッチ
簡単なストレッチも、便秘解消に効果的です。例えば、仰向けに寝て膝を抱え込むストレッチや、足を伸ばして腰を反らすストレッチなどがあります。これらも、お子さんの年齢や体力に合わせて無理なく行いましょう。