こどもの便秘の検査
当クリニックでは、こどもの便秘の検査として以下の検査を行っています。
- 腹部触診
- お腹を優しくさわって、お腹に便がたまっているか確認します。
便がたまっている場合、お腹の左下の方に コロコロした塊があるのを感じます。 - 直腸指診
- 手袋をはめた指で肛門を診察し、便の硬さや、肛門に切れているところがないかを調べます。お子さんが小さい場合、小指で実施する等、愛護的に行います。
- 腹部打診
- お腹の上に手を置いて、置いた手の中指をもう一方の手でトントンすることで、音の大きさや音の高さ低さで便やガスの溜まり具合が分かります。
こども便秘の治療
便秘の治療のステップ
1.溜まっている便を出す
便秘と診断されたら、まずはたまった便を全部出すことが必要です。
便が大量に腸にたまっているままだと、様々な治療の効果を十分に得ることができません。
便を出す方法
- 浣腸
- 浣腸はすぐに効果が得られるため、お子さんがすぐに楽になることが出来ます。
ただし、硬い便をそのまま出すときは、痛みを伴う場合もあります。 - 下剤
- すぐに便を出さなくても大丈夫なときには、下剤を使うこともあります。
- その他
- 下剤をつかっても便が出ないときは、腸を洗ったり、指で便をくだいて出したりすることもあります。
2.腸がからっぽになったら
腸に便がたまっていない場合や、空っぽにすることに成功したら、再び便がたまることがないように治療をしていきます。主な治療方法は以下の3つです。
- 生活習慣の改善
- 食事の内容の見直し
- お薬を使った治療
3.生活習慣、排便習慣の改善
生活習慣の改善
便秘治療のための生活習慣の改善は、主に以下の3つが挙げられます。
- 早寝早起きをする
- バランスのとれた食事を3食とり、おやつの時間以外には間食を避けるようにする
- 適度な運動(散歩、掃除など)をする
生活習慣の改善による効果は、少しずつあらわれるもののため、焦らず少しずつ変えていきましょう。
排便習慣の改善
排便習慣で気を付けるべきことは、主に以下の2つが挙げられます。
- 無理なトイレトレーニングをしない
- ゆとりのある時間帯にトイレに座る習慣をつける
トイレトレーニングを始める時期や、トイレに行かせる時間帯に決まりはありません。一人一人のお子さんの発達過程や生活習慣に合わせた排便リズムを作ることが最も大切です。
4.食事内容の見直し
便秘の改善には、食物繊維を多く含む食材を摂ることが効果的です。 食物繊維を多く含む食品は以下のようなものがあります。
- 小豆
- スイートコーン
- おから
- そば
- さつまいも
- ひじき
- 6~7歳くらいの実現可能な目標量として、11g以上の食物繊維をとることが推奨されています。お子さんの年齢に合わせて、摂取量を調整されてみてください。
5.お薬による治療
生活習慣の改善や、食事内容の見直しで、便秘改善がみとめられないときは、お薬を使用します。こどもの便秘の治療に使われるお薬はいずれも安全性が高く、「クセ」になることは全くない、もしくはほとんど問題になりません。便秘の状態が長引いてしまうよりは、お薬を飲んだ方が、長い目で見てもいいことです。