アトピー性皮膚炎について

アトピーのイメージ

当クリニックでは、お一人お一人の体質や生活環境、要因となるものに合わせ、オーダーメイドの治療を行っていきます。じっくりと取り組んでいくことが大切になりますので、お子さんや保護者の方の思いにもしっかりと耳を傾け、ご理解をいただきながら、治療を進めていきます。

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎の原因としては
「体質的にアトピー因子をお持ちである」
「皮膚のバリア機能が低下し、肌の乾燥などが起こっている」
ということが考えられています。そこに
「外的要因(アレルギー物質や生活環境など)」
が加わって、アトピー性皮膚炎の様々な症状が現れると言われています。

アトピー因子

人の身体には、周辺を取り巻く様々な異物が体内に侵入してきた際に、それを撃退する「免疫反応」というシステムが備わっています。アトピー因子をお持ちの方の場合は、それが上手く機能しないと考えられています。免疫が異物に対して過剰に反応してしまうのがアレルギー反応であり、それが皮膚に現れるのがアトピー性皮膚炎です。

バリア機能の低下

皮膚は外界から体を守る働き(バリア機能)がありますが、外側にある角質層が乾燥などによりそのバリア機能を失うと、異物が入り込みやすく、また刺激にも敏感になってしまい、アトピー性皮膚炎が引き起こされやすくなってしまいます。また、角質層のバリア機能が一度衰えると、以下のような悪循環に陥って、さらにバリア機能が低下することとなってしまいます。

  1. 乾燥などによって角質層の皮脂膜や細胞間脂質が減少しバリア機能が低下
  2. 表皮の水分の蒸発が進み、水分量が低下
  3. 水分の蒸発を防ごうとして毛細血管が収縮
  4. 血流の減少による栄養不足で皮膚の新陳代謝が低下
  5. さらなるバリア機能の低下

こうした状況によって、正常な皮膚とアトピーの皮膚とでは、以下のような違いがみられるようになってしまいます。

正常な皮膚 アトピーの皮膚
皮脂膜がある 皮脂膜がほとんどない
細胞間脂質が十分にある 細胞間脂質がほとんどない
表皮のバリア機能が正常に働き、異物の刺激を受けにくい。 角質層が空洞化し、異物の侵入が容易になり刺激を受けやすくなる。

バリア機能が大きく低下することによって、外部からの刺激に対してより弱くなってしまい、炎症が起きて痒みなどの症状も強くなります。するとそれを我慢できず、特にお子さんでは皮膚を掻きむしってしまうことでさらにバリア機能が低下する、という悪循環も起きてしまいます。

外的要因

アトピー因子、そしてバリア機能の低下に、さらに外的な刺激が加わることが要因となり、皮膚の炎症や乾燥、強い痒みなど、アトピー性皮膚炎の症状が引き起こされます。

炎症を引き起こす外的要因(原因物質/アレルゲン)としては、以下のようなものがあります。

吸入性アレルゲン
(居住空間などに浮遊するもの)
室内……ダニ、ペットの毛、衣類の繊維、タタミ、そばがら など
花粉……スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、ヨモギ、など
カビ……アルテルナリア、アスペルギルス、カンジダ など
食物アレルゲン
(主に食べ物に含まれるタンパク質)
牛関連製品……牛乳、チーズ、牛肉
鳥関連製品……鶏卵、マヨネーズ、鶏肉
豆類・穀物・種実関連…大豆、ゴマ、そば、ピーナツ、小麦、米、 果物・野菜……トマト、キウイ、もも、バナナ、リンゴ
魚類・甲殻類……マグロ、サケ、サバ、エビ、カニ
薬物
(服用することで発症するもの)
消炎鎮痛薬、解熱薬、抗菌薬、ホルモン薬、総合感冒薬、降圧薬 など
接触性アレルゲン
(皮膚にくっつくことで起こるもの)
金属、ラテックス、うるし、化粧品、塗料、洗剤、ヨード、衣類、寝具、薬剤 など

環境という側面からとらえた場合、以下のような生活環境の変化が、アトピーの増加に影響を及ぼすことが考えられます。

自然環境の変化
紫外線の影響、大気汚染、水質汚染、化学物質 など
住宅環境の変化
高層化、気密化、絨毯の常用、エアコン(カビ)、ペット(室内)など
食生活の変化
栄養の偏り、外食、偏食、不規則な時間の食事 など
社会構造の変化
学校、職場、家庭内などのストレス、過労、昼夜の逆転 など

アトピーの代表的な症状

症状としては、皮膚に強い痒みを伴う赤みやブツブツが出て、ひどくなると皮がむける、厚くなるなどし、それが慢性的に良くなったり悪くなったりするのが特徴です。これらの症状は、乳幼児期では頭や顔、首などにみられ、幼児や学童では首やおしり、ひじやひざの裏などに現れやすくなります。

アトピーの治療

アトピーの治療にあたっては、ここまでご紹介した「アトピーの悪循環」を断ち切ることが重要になります。まず、ステロイド剤で皮膚の炎症を抑え、同時に保湿剤でバリアの再生を図ります。短期間でお肌をツルツルにして、その後、ツルツルのお肌を保ちつつお薬を段階的に弱いものにしたり、塗る回数を減らしたりしてゆきます。そうしている間に、皮膚の深い層が修復され、知覚神経も基底層より下の層まで戻っていきます。早く治すにはステロイド剤が良いですが、最近は、非ステロイド剤による治療も可能になってきました。
当クリニックでは、軟膏などの正しい塗り方、スキンケアの仕方を丁寧に指導し、お母様たちと協力して、より早くお子さんがアトピーの苦しみから解放されるように診療しています。

診療時間
休診日:土曜午後・日曜午後・祝日
●予防接種は予約制です。
9:00~12:00
予防接種
16:30~19:30
院長
周藤 文明
診療内容
一般診療予防接種乳児健診アレルギー疾患アトピー舌下免疫療法子供の循環器疾患
電話
075-592-5109
所在地
〒607-8481京都市山科区北花山中道町78-4
アクセス
JR東海道本線「山科」駅 車で約3分
バス停「川田道」より 徒歩12分
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