でべそ(臍ヘルニア)について
でべそ(臍ヘルニア)は、生後間もない新生児によく見られる状態で、へその部分が外側に突き出るものを指します。臍ヘルニアは、赤ちゃんの5人から10人に1人の割合で見られることがあり、これはへその緒が取れた後の臍輪(さいりん)という部分が完全に閉じていないために起こります。
でべその原因
でべその原因は、へその部分の筋肉や組織が完全に閉じていないために、腹圧がかかることで内臓の一部がへその部分から突出してしまうことです。この状態は、新生児や乳児の間に多く見られ、特に早産児や低体重児に多く発生します。また、頻繁な咳や便秘、腹圧の上昇が誘因となることもあります。
でべその症状
でべその症状としては、臍の部分が丸く膨らんでいるのが特徴です。通常、赤ちゃんが泣いたり、咳をしたり、お腹に力を入れたりすると、でべその部分がより目立ちます。また、触れると柔らかく、指で押すと元に戻ることが多いです。痛みや不快感を伴うことは少なく、通常は見た目以外に特に問題はありません。
でべその治療方法
でべその治療は、基本的には自然に治癒することが多いです。赤ちゃんの成長とともに筋肉や組織が発達し、臍の部分が閉じるためです。通常、1歳から2歳になる頃までに自然に治ることがほとんどです。主な治療方法は下記になります。
- 圧迫療法
家庭で行えるケアとしては、圧迫療法があります。これは、医師の指導のもとで臍の部分を優しく圧迫する方法です。特に大きなでべそや自然に治る兆しが見られない場合には、圧迫療法が有効です。当院では圧迫療法のための指導を行っています。
- 手術
まれに、自然治癒が見込めない場合や、臍ヘルニアが大きくなったり、痛みを伴う場合には手術が必要となることがあります。当院では圧迫療法では治療できないと判断した場合には連携医療機関である京都第一赤十字病院に紹介しています。
でべその予防と日常生活の注意点
でべその予防は特に必要ありませんが、赤ちゃんのお腹に過度な負担をかけないよう注意することが大切です。便秘を防ぐために適切な水分補給やバランスの取れた食事を心掛けましょう。また、頻繁に泣かせないようにすることも、腹圧を避ける一つの方法です。
まとめ
でべそは自然に治癒することもありますが、手術を伴う場合もあります。また、できる限り早期に治療を開始すればするほど治癒率が高いとされています。おへそがぽこっと飛び出ている、柔らかいので押し込むこともできる、というようなケースをはじめ、「でべそかも?」と思ったら、早めに相談するようにしてください。