花粉症とは
花粉症は春や秋など、特定の季節に花粉が飛散することによって引き起こされるアレルギー反応の一種です。特に、スギやヒノキなどの樹木の花粉が原因となることが多く、花粉が目や鼻に入ることで、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎を引き起こします。近年、大気汚染問題や、アスファルトやコンクリートで舗装された道路が多く飛散して地面に落ちた花粉が土に吸収されず再び飛散するといった理由から、都市部を中心に多くのお子さんが花粉症に悩まされており、発症時期の若年化も問題となっています。
主な症状
- 花粉症の主な症状には以下のものがあります。
- 鼻水:さらさらとした水のような鼻水が常に出続けます。
- 鼻づまり:鼻が詰まって呼吸がしづらくなり、ぼーっとします。
- くしゃみ:繰り返し出るくしゃみが日常的な悩みとなります。
- 目のかゆみや赤み:目がかゆくなったり、赤くなったりすることがあります。
- 喉の痛み:花粉が喉に触れることで、痛みや違和感のほか、かすれ声が生じることもあります。
主な治療
花粉症の治療は、主に薬物療法があげられます。抗ヒスタミン薬やステロイドの点鼻薬、点眼薬などが使用されます。これにより、花粉によるアレルギー反応を抑えることができます。
初期療法とは
初期療法とは花粉の飛散が本格化する前に薬を飲み始めることで、花粉症の症状を軽くしたり、発症を遅らせる効果があります。スギ花粉は近年飛散する時期が前倒しになっている傾向があるため、成人の日前後の1月10~15日ごろより事前に薬を飲むことで症状を出にくくします。
舌下免疫療法について
舌下免疫療法は、アレルゲンを少量ずつ体に入れて慣らしていく治療法です。これにより、花粉症の根本的な治療が可能になります。治療期間としては3年~5年程度の継続的な治療が必要ですが、効果が現れると、花粉の飛散時期でも症状を軽減することができます。現時点ではスギ花粉もしくはダニのアレルギーに効果があります。舌下免疫療法を実施するには事前の血液検査が必要になるため、治療をご希望の方は一度ご相談ください。
舌下免疫療法についての詳しい説明はこちら
ドロップスクリーンによる検査について
舌下免疫療法を始めるためには血液検査を行いスギ花粉に対するアレルギー反応の数値を調べる必要があります。血液検査の方法の一つに「ドロップスクリーン」を用いた検査があります。この検査は注射器を使わずに指先から数滴のみ血液を採取し、検査を行うためお子さんへの負担が少ないです。
ドロップスクリーンについての詳しい説明はこちら
このような症状でお困りではありませんか
もし、以下のような症状が見られた場合は、早期に受診することをおすすめします:
- 春や秋に鼻水やくしゃみが多くなる
- 目がかゆくなり、赤くなる
- 外出後に症状がひどくなる
- 夜間に鼻づまりで眠れない
花粉症は放置すると鼻づまりなどで夜に十分な睡眠をとれず、日中にぼーっとしてしまい日常生活や勉強に支障をきたす場合があります。気になる症状があれば一度ご相談ください。